一般的なAIアシスタントにメインフレームのデータについて尋ねても、実用的な回答はほとんど得られません。顧客情報、受注履歴、数十年分の取引データといった重要な情報は確かに存在します。しかし、その多くはVSAMに格納され、コピーブックで定義されており、過去に作成された専用プログラムを介さなければアクセスできない状態にあります。
この3分間のデモでは、シニアシステムエンジニアのDemos Economacos氏が、AIアシスタントによるメインフレームデータへの直接照会が、データ活用のあり方をどのように変えるのかをご紹介します。
この仕組みを支えているのが データ仮想化です。CONNX Data Dictionaryでは、VSAMのレコードレイアウトが CUSTOMERS_VSAM、ORDERS_VSAM、PRODUCTS_VSAM などの通常のSQLテーブルとして表現されます。各フィールドのデータ型、オフセット、長さ、コードページといったVSAM固有の情報は、自動的に標準SQLの形式へマッピングされます。その上で、CONNX MCP Serverは、オープン標準であるModel Context Protocolを介して、これらのテーブル情報をClaudeに公開します。Claudeはクエリ実行機能、メタデータサービス、スキーマ情報へのアクセスを利用できるようになり、しかもそれらはすべてCONNXが提供する既存のセキュリティポリシーやガバナンス管理の範囲内で実行されます。
あとは対話をするだけです。「顧客数は何人ですか?」と質問すれば、VSAMからリアルタイムで取得した件数が返されます。「最も売れている製品は何ですか?」という質問はもう少し複雑で、このデモの見どころでもあります。AIアシスタントは、このスキーマを事前に知っているわけではありません。それでもテーブルを調べ、自らSQLを作成して実行します。途中で誤ったクエリを実行しても、自ら修正しながら分析を進め、最終的には製品ごとの受注データを集計して答えを導き出します。さらに興味深いのは、回答が一つではないことです。販売数量で最も売れている製品と、売上高で最も高い収益を上げている製品をそれぞれ示します。誰も明示的に求めていないものの、多くの人にとって価値のある洞察と言えるでしょう。
データ抽出も、レプリケーションも、夜間バッチによるステージングも必要ありません。クエリはリアルタイムでメインフレームに対して実行され、データが管理・統制された経路の外に出ることはありません。
このデモでは、VSAM上のサンプルデータを使用していますが、同じデータディクショナリ上には、Db2やKafkaへの接続もあわせて表示されています。